2) 両膝着きの姿勢から
両膝を着いた姿勢から前方へ倒れ,両前腕を畳でたたく直前に両膝を畳から離 し身体を伸ばして,腹部を畳で打たないように留意しながら前受け身を行う。
前受身(両膝着きの姿勢から)(図参照)
【注】両腕は,はじめ体側に垂らしておき,前方に倒れようとする際に, 前方に振り上げ,顔面にもってくるようにする。中腰,立位の姿勢か らの前受け身でも同様に行う。
(ア)方法
1) 片膝着きの姿勢から
左(右)膝を着き,右(左)脚を立てた姿勢から両手を畳に着き,右(左)肘 を前方に軽く曲げて右(左)斜め前方へ体重をかけ,腰をあげるようにしながら 右(左)前方へ身体を回転させ,左背中側面が着く瞬間に庄(右)手と両脚で畳 をたたきながら受け身をする。両脚は横受け身のときと同じような形になる。
・ ← 左手を右足・左足を底辺とした三角形の頂点に着く。
・ ← 両手を内側に向ける。
前回り受け身(片膝着きの姿勢から)(図参照)
【注】両手を着く位置(左膝,右足,左手で三角形をつくる)
【注】身体が畳に触れる部位と順序
①右(左)手小指側→②右(左)前腕外側→③右(左)肘外側→ ④右(左)肩→⑤背部(対角線を通過)→⑥左(右)腰部・臀部・左(右)腕・両脚。
【注】頭部は,畳に触れない。
〇四つん這いからの練習方法
四つん這いの相手の左横に同じ方向を向いて位置し,腹部の下から両手を差 し入れ,相手の右手を取り(柔道衣を握ってもよい),自分の方に引きながら, 相手を前方に回転させ,前回り受け身を行わせる。
前回り受身(四つん這いから)(図参照)
2) 右白然体の姿勢から(左白然体からも行う。)
右白然体から少し足幅を広くとり,両手を畳に着く。身体を右前方に出すよう に体重を乗せ,腰をあげるようにして,右手小指外側,右手首外側,右前腕外側, 右肘外側,右肩,背部,左臀部,両脚の順序で次第に畳に着くように回転させて 受け身をする。
← 一歩右足を前に踏み出す。
← 左手を右足・左足を底辺とした三角形の頂点に着く。
・右手を左手の内側に着く。
・指を内側に向ける。
・右肘,右肩を前に出す。
← 右手を支点にして両脚を思いきり真上にあげる。
← 両脚,左手同時に畳をたたく。
(図参照)
○受け身をした腕で畳を押して起きあがる練習方法
・横受け身の伏臥(あおむけ)の姿勢から起きあがる練習を行う。
(図参照)
【注】両足,両手を上げ,横受け身を行うときに,両足を振り下ろす速度を はやめ,畳をたたくときに遠心力で上体が起きあがるのを利用し,腕 全体で畳を強く押して起きあがる。
3) 移動しながら
前方に数歩移動してから,大きく跳んだり,小さく動作をしたり,障害物を飛 びこえたりしながら,また,投げ技の基礎と関連させながら,いろいろな場面の 受け身を経験しながら,練習する。