2)頭の方向や足先の方向への移動(エビ,逆エビ)
初めは,対角線上の肩と脚で体を支えるようにして移動する練習を行い,技 能が上達するにつれて速く,飛び跳ねてできるようにする。
・エビ:頭の方向に進む。
・逆エビ:足の方向に進む。
(図参照)
(イ)体を横にかわす(横エビ)
あおむけの姿勢から,脚と肩を使い,腰をひき,両手で押すようにしながら体を 横にし,エビのように体を曲げてひねる。左右行う。
相手に脚の方から脚を制せられるようにして攻撃されたり,けさ固めなどで抑え 込まれた場合に逃れる体のさばきである。
・横エビ:体を横にかわす(図参照)
(ウ)体を曲げる(「TKシザース」など)
あおむけの姿勢から両脚をあげて体を屈折させ,両脚を頭部上方の畳に着けるよ うにする。
肩固めなどから後方に回転して逃れる場合の体のさばきである。
・体を曲げる(図参照)
(エ)脚を回す(脚回し)
あおむけの姿勢から,両脚を開いてあげ,膝を軽く曲げながら交互に脚を回す(外 側,内側に回す)。
脚の方からの攻撃を防御したり,攻撃してくる相手を返したりする体のさばきで ある。
・脚回し:脚を回す(図参照)
(オ)脚を伸ばす(脚蹴り)
あおむけの姿勢から膝を由げ,かかとに力を入れながら自転車のペダルを反対に ごぐようにして,畳に沿って交互に伸ばしたり,引きつけたりする。
脚の方からの攻撃に対して蹴りはなすようにして防御する体のさばきである。
・脚蹴り:脚を伸ばす(図参照)
(ア)大きな動作で繰り返しできるようにする。
(イ)一つ一つの体のさばきがどのような場面で使われるかを理解できるようにす る。
(ウ)一つ一つの体のさばきを確実に行うことで,筋力や柔軟性,敏捷性や巧級性が 高められることを理解できるようにする。
固め技の入り方としては,相手の両脚を制しながら入る方法と片脚を制しながら入 る方法がある。
脚の方から攻めてくる相手への基本的な対応の仕方としての簡単な返し方には,白 分の体側へ返す方法と頭の方へ返す方法がある。
また,腹這い(うつ伏せ)や四つん這いで防御している相手には,体側や頭の方へ 返して固め技に入る方法がある。
(ア)両脚を制しながら入る方法
1)相手の両膝をそろえて横から回りこむ → けさ固め(図参照)
2)相手の両膝をそろえて上から直進 → 縦四方固め(図参照)
3)相手の両膝をそろえて上から腰で回転 → けさ固め(図参照)
(イ)片脚を制しながら入る方法(図参照)
(ア)体側へ返す方法
相手の外側から片脚を,内側から他の脚をそれぞれかけて偶力を用いて横に回転させる。柔術では,「ヘリコプター」と言ったりする技です。
(イ)頭の方向~返す方法
隅返(図参照)
(ア)腹這い(うつ伏せ)を返す方法
1)自分の手前にある相手の肘と膝を持って(フライパン返し)(図参照)
2)自分の奥にある相手の肘と膝を持って(フライパン返し)(図参照)
(イ)四つん這いを返す方法
カメ → 自分の奥にある相手の肘を両手で持ってから肩で押して回して返す。(図参照)