中学校及び高等学校の学習内容のうち,技能的な内容については,次に示すような要点 に留意し効果的に指導することが大切である。
柔道の投げ技の攻防に最も適した基本的な姿勢は自然体(しぜんたい)である。
身体のどの部分にも余分な力を入れずに自然に立った姿勢をいう。自然体は柔道 における基本の姿勢であり,安定度のある変化しやすい姿勢である。自然体には自 然本体(しぜんほんたい),右自然体(みぎしぜんたい),左自然体(ひだりしぜんたい)の 3つがある。
また,その他の姿勢として自護体(じごたい)がある。自護体には,自護本体(じごほんたい),右自護体(みぎじごたい), 左自護体(ひだりじごたい)の3つがある。
(ア) 方法1(自然体)
1) 自然本体(しぜんほんたい)両足を横一線上にそろえて約一足長に開き,体重を両足に均等にかけ,膝を曲 げることなく弾力をもたせ,背筋を伸ばし,下腹部に力をこめて口を閉じ,目は 前方を自然に見て立った姿勢である。この場合,両足は逆ハの字型に開く。
2) 右自然体(みぎしぜんたい)と左自然体(ひだりしぜんたい)自然本体から右足を前方に一足長踏み出し,両足に均等に体重をかけた姿勢を 右自然体といい,反対に左足を前方に一足長踏み出した姿勢を左自然体という。 この場合,体の向きは自然本体と同じ方向である。
右自然体 | 自然本体 | 左自然体 |